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医学ひとくち講座
日焼けとシミ〜紫外線の効果と予防〜

 日焼けやシミは、今や美容にとどまらず、健康上の問題として認識されはじめています。日焼けとシミのメカニズム、日焼け止めの使い方、シミの治療などについて、手稲渓仁会病院の富永晃広先生が教えてくれました。

Q1
日光のメリット・デメリット
図1 皮膚の構造
図1 皮膚の構造
  日光は人体にとって必要不可欠です。骨はつくられたり壊れたりを繰り返しており、骨をつくるにはカルシウムとビタミンDが必要。そのビタミンDは、日光に含まれる紫外線を浴びることで合成されます。しかし、紫外線は、肌に日焼けやシミをつくる作用もあります。

 以前は、自然な現象としてとらえられてきた日焼けやシミですが、近年、疾患の一種として認識されはじめています。何の対策もせずに長年紫外線にあたり過ぎた肌は、たくさんのシミができ、ゴワゴワの肌になる可能性があり、皮膚のダメージが皮膚がんにつながることもあるのです。

 日焼けは、紫外線に対する皮膚の防御機能。皮膚は、表皮、真皮、皮下組織と、3層構造になっています。表皮の一番下のあたりに、メラノサイトという細胞があり、紫外線の刺激を受けると活発化してメラニン色素をつくります。このメラニンが日焼けで肌を黒く見せる元で、表皮細胞へと受け渡され、細胞が日傘をかぶった状態になります。

 皮膚に影響のある紫外線は、UVAとUVBの2種類です(図1)。直接メラノサイトを活発化させるのはUVA。紫外線を浴びてすぐに肌が黒くなるのは、より悪影響の強いUVBから肌を守るための反応なのです。

 UVBは、細胞、そして細胞の核に含まれる遺伝子を破壊します。遺伝子は自己修復機能を持つため、多少壊れたくらいでは問題ありません。しかし、長い間繰り返されると修復が追いつかずに、皮膚がんなどを引き起こすことがあります。
 

Q2
シミの種類は4タイプ
図2 シミの種類
図2 シミの種類
  シミは、メラノサイトが活発化しすぎて、外部からの刺激がなくてもメラニンをつくり続け、また、メラニンがそのまま表皮に定着してしまった状態です。

 一般に多く見られるシミは、全部で4種類あります(図2)。機会が多いのが、30代以降の女性に特有な肝斑(かんぱん)。ほおや額などに、左右対称に出る女性特有のシミです。これは、女性ホルモンのバランスが崩れて起こるものだと考えられており、閉経を境に薄くなります。10代でできるそばかすは、紫外線に関係しているもの。高齢者の茶色いシミは、日光性黒子といいます。これは、長年蓄積された紫外線の影響です。もうひとつは、やけどやニキビのあとがシミになる炎症後色素沈着です。炎症の熱が刺激となり、メラノサイトが活発化してシミができます。

Q3
日焼け止めの効果と使い方
  日焼けやシミ、そして皮膚がんを防ぐ一番の方法は、日焼け止めの薬を塗ることです。キャンプや屋外スポーツが大好きだという人は、確実に紫外線対策をしてください。北海道では夏以外に、冬も要注意です。紫外線が積もった雪に反射し、上下からあぶられているような状態になります。

 大抵の日焼け止めには、UVBを防ぐ“SPF”という効果と、UVAを防ぐ“PA”という効果の両方が含まれています。重要なのがSPF。日焼け止めのパッケージなどには、SPFの後に効果の高さを表す数字が記されています。これは1あたり、夏の海水浴場で肌が赤くなるのを20分間防ぐことができるという指数。SPF50だと、効果が16時間以上持続する計算です。

 ただ、日焼け止めは、汗をかいたり、水につけたりすると流れてしまうので、理想的には3回の塗りなおしが必要。日焼け止めで肌がかぶれるという方は、化学物質の入ってないものを使うといいでしょう。

Q4
シミを治すハイドロキノン
  近年では、シミの治療に訪れる方も増えています。

 主なシミの治療は、表皮細胞に固定されてしまったメラニンを分解すること、そしてメラノサイトの活動を抑えることです。ハイドロキノンという塗り薬を使います。日焼けをしたからといって治療の心配をする必要はなく、シミになりかけたところで病院に行けば充分間に合います。

 日焼けやシミに対する意識は、女性が高く男性は低いのが現状です。シミの治療をすることで、積極的に外出するようになる高齢者の方もいます。今やシミの治療は。生活スタイルを変えるほど重要なものになってきています。

富永 晃広(とみなが あきひろ)

平成7年 防衛医科大学卒業
     防衛医科大学病院
     札幌医科大学病院
     日鋼記念病院

日本皮膚科学会専門医

所属:医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 皮膚科
富永 晃広(とみなが あきひろ)

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