腎臓の主な働きを「表1」に示します。
人のからだの60%は水からできていて、そのうち20%は塩水(生理的食塩水:0.9%塩化ナトリウム)です。塩化ナトリウム以外にもカリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどの電解質とよばれるものが溶けています。細胞が生きていくためにはこれらの濃度が一定に保たれていなければなりません。腎臓の働きを一言でいうと、体内の水の環境を一定に保つこと、つまりからだに含まれる水や電解質の量を一定に調節すること(これを「体液の恒常性を維持する」と言います)です。
食物や飲み物としてからだに入る水や電解質は毎日異なりますが体内の量が一定に保たれているのは、食べたり飲んだりして多すぎるものは尿に出し、少ないものは尿に出ないように腎臓が調節しているからです。例えば、砂漠に行って水が飲めなければ尿量が少なくなり、反対にビールをガブガブ飲むとたくさん尿が出て体内の水の量が一定に調節されます。水ばかりでなく塩分(塩化ナトリウム)やカリウムなどの電解質も同様に食べる量に応じて尿に排出される量を調節しています。
腎臓の働きが正常であれば食べたり飲んだりする量の許容範囲は広く毎日相当変わっても体液の恒常性は維持され生命に危険はありません。(表2)
三大栄養素(炭水化物、脂肪、タンパク質)のうち、炭水化物と脂肪は水素と酸素と炭素からできていて体内では水と二酸化炭素になります。一方、タンパク質には窒素が含まれていて体内で代謝されるとアンモニアや尿素などの窒素化合物になります。これらの窒素化合物には毒性があるので常に体外に出さなければなりません。腎臓は窒素化合物を尿として体外に排泄する唯一の臓器なので、腎臓の働きが悪くなり多量の窒素化合物が体内に蓄積すると様々な症状(尿毒症)がでてきます。
この他にも造血(赤血球を産生させる)ホルモンであるエリスロポイエチンや血圧を上げるレニンと物質を産生・分泌したり、骨を調節するビタミンDを活性化(体内で作用する形に変える)したりしています。 |