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高齢者の終の住処「共同住宅」を検証 前編

写真は札幌市西区の高齢者向け共同住宅「メリー発寒」  (運営:ソーシャル)
写真は札幌市西区の高齢者向け共同住宅「メリー発寒」 (運営:ソーシャル)
 下宿が変貌を遂げた高齢者向け共同住宅

 「高齢者向け共同住宅」という施設が、高齢者やその子どもの間で、にわかに関心を集めています。

 現在、札幌を中心に道内約80ヵ所に民間事業者が運営する高齢者向け共同住宅があり、スローペースではありますが、年々その数は増加しています。定員が数人から数十人と小規模で、食堂や娯楽室といった共用スペースがあることや、病院や老人福祉施設と提携し、万が一に備えた体制を敷いていることが特徴です。

 基本的にはマンションと変わりはありませんが、個人のプライベートが守られながら、24時間の管理が施されています。入居にかかる費用は、管理費、食事代、賃料を含め100,000円から180,000円。入居可能な年齢や条件は施設によって異なります。

 高齢者向け共同住宅の先駆けとなったのは、学生を対象とした下宿です。昨今の学生は下宿よりも、マンションやアパート暮らしを好む傾向にあり、さらには少子化の進展で、下宿の空室が増えたため、対象を高齢者に変更したケースは少なくありません。

 また、医療保険制度の改正で、病院は治療を必要としない患者の長期入院を受け入れられない環境となり、介護保険施行後、行き場を失った高齢者の受け皿となるべき特別養護老人ホームは、入居待ちの待機者が増えました。これも共同住宅の需要が拡大する要因となりました。

 そのため、現在、高齢者向け共同住宅として高齢者を受け入れている施設は、下宿を改築して高齢者向けにしたケースと、医療制度改定や介護保険施行後に共同住宅として新築したり、既存の建物を改修した場合に分けられます。

 ただ、共同住宅は全国的にも珍しく、法律などで設置基準が設けられるまでに至っていません。そのため、施設によって費用やサービス、対象とする入居者、バリアフリー整備などは異なるのが実情です。

 次回、高齢者共同住宅の課題に迫ります。

編集部
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