定山渓病院の新棟が完成しました
個室(上)とナースステーション(下)
ゆとりある医療療養環境と衛生管理の整ったおいしい食事の提供を
昨年7月に着工した定山渓病院の新棟が完成、10月30日に引き渡しが行われました。今回は平成8年の新棟に続いて2度目の増築。これまでは、4人部屋が中心だった定山渓病院ですが、新しい棟には個室24室と2人部屋が16室設けられています。
個室が増えたことで終末期の患者さまもご家族が終始付き添いながら、ゆっくりお話ができるようになりました。また、新棟の他の患者さまにも4人部屋が3人部屋になるなど、ゆとりを持った入院生活が可能になりました。
中川翼院長は「全ての病室が個室だけというよりも、個室がある上で2人部屋や3人部屋といった選択肢があることが重要なのです。」と語ります。定山渓病院はこの増築で、プライバシーを大切にする患者さまから、多くの人と接していたいと思う患者さままで幅広いニーズに応えられるようになりました。
患者さまだけではなく、ご家族への配慮も拡充しています。遠くからお見舞いのご家族は、これまで近くのホテルなどにお泊りでしたが、宿泊できる部屋も用意。経済的な負担の解消や、すぐ近くに待機できるという安心感に繋がっています。
スタッフの環境もより良いものへと変わりました。これまではナースステーションの中で打ち合わせなどを行っており、外に声が漏れないように常に気を配ってきました。新棟では打ち合わせ専用の部屋も設けられて、患者さまの日々の体調管理などについてより活発な意見交換が行えるようになりました。
屋上(上)とミスト浴(下)
屋上には四季の移り変わりを肌で感じられるように広場を設け、お見舞いに訪れた方と患者さまが一緒に外の新鮮な空気を吸い、定山渓の景観を楽しめるようになっています。
入浴の設備ではミスト浴を全フロアに導入しています。ストレッチャーに乗った状態でカプセル状の浴槽に入り、温かい霧状の蒸気で体を包む入浴法なので、寝たきりの患者さまでも肌をさらさずにお風呂を楽しむことができます。
中川院長自らも、患者さまの立場になって使い心地を試したもので、多くの患者さまから「よく温まる」と好評を博しています。寝たきりの患者さま対象のミスト浴ですが、定山渓病院で3割以上になる、車いすの患者さまのためにも、車いす用ミスト浴の導入を検討しています。
また、今回の新棟の建設に伴い厨房を一新しました。「日本一の病院厨房を!」の目標の下、現在は衛生面の向上へ様々な観点から取り組んでいます。
新しい厨房は内部を、検収室、食品保管庫、下処理室、衛生準備室、調理室、サラダ室、洗浄室の7つに区分しています。調理室、サラダ室とそれ以外のエリアは直接行き来できない動線になっていて、食材のやり取りは設けられたガラス窓から行います。また、調理室への入口には強い風で埃などを飛ばすエアジェットを設けており、異物混入を防ぐ工夫が随所に凝らされています。
火を使わないオール電化の調理機器の導入で厨房内の温度を常に25度以下、湿度80%以下に保持、加熱せずに直接口に入る生野菜を扱うサラダ室では、さらに厳しい管理を行うよう細心の注意を払っています。
温冷配膳車(上)とスチームコンベクションオーブン(下)
厨房から患者さまへお食事をお届けする際の感染や異物混入を防ぐため、配膳車専用のエレベータ2機で各フロアへ配膳にあたっています。下膳の際も専用のカートと下膳専用エレベータで行い、材料の搬入から調理、配膳、下膳にあたるスタッフの動線を一方向に保っています。
また、温冷配膳車8台を導入し温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たくなど、普通の食事はもとよりサラダや麺類なども、おいしく召し上がって頂ける温度で提供できるようになりました。
調理のシステムも病院厨房として先進的なものを採用。NASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙食で用いられるHACCP(ハサップ)方式を導入しました。スチームコンベクションオーブンやブラストチラー、真空調理といった機器を用い、クック・チル、クック・サーブなどを効率的に組み合わせた「新調理システム」で、おいしく安全な食事を患者さまへ届けるために厨房スタッフ一同、心を込めて毎日の業務にあたっています。
スチームコンベクションオーブンでは煮る、焼くなどの調理の基本動作のほとんどが賄えます。調理の温度帯を揃えることで、違うメニューも同時調理が可能となります。この機械の導入で調理法が統一され、調理技術格差が少なくなり、質の高いお食事の提供へと繋がっています。ブラストチラー、チルド庫などの導入では料理を急速冷却し、その日に作った料理を数日後のメニューとして出せるようになり、手の込んだ料理も提供可能となりました。
また、真空調理法を導入することで、瞬時に味をしみこませることができ、スタッフが不在でも低温でじっくり煮込むことが可能となりました。そのため、今まではすりつぶした状態で召しあがっていた患者さまにも、料理として形があるメニューを提供することも可能となりました。
定山渓病院
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