定山渓病院『シーティングクリニック』
車いすを使って説明する リハビリテーション部理学療法士 稲毛剛さん
体に合った車いすで快適な療養生活をめざして
定山渓病院では、患者さまに快適な生活を送っていただこうと、患者さま1人ひとりの体に合った車いすや車いす用クッションによる適正な座位保持をすすめる『シーティングクリニック』を2001年から実施しています。
適切な座位姿勢をとることで、動作能力の改善を図ったり、褥瘡(床ずれ)や体の幹となる胴体部分の変形といった二次障害の予防、防止を目的として、患者さまとご家族、車いす取り扱い元、主治医、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカーなどの各部門からの専門スタッフを1チームとして行っています。
シーティングクリニックの流れ
シーティングクリニックは、上記の流れで行われます。車いすを製作する場合は、このあと3〜4ヵ月ほどの申請・製作期間を経て患者さまの手元に届きます。
定山渓病院リハビリテーション部理学療法士の稲毛剛さんは
「シーティングクリニックで車いすを製作するときには、患者さまとご家族に、要望を尊重しながらも『本当に患者さまのニーズに合っているか』『介助しやすい車いすか』などを、チームのスタッフがそれぞれの専門的な目でしっかり提案し、理解していただく必要があります。どういう車いすができあがるのか、チーム内でイメージを共有することも重要です。また、要望にしっかり対応するためにも、スタッフ1人1人のスキルアップを目指しています」と話しています。
適正なシーティングにより、二次障害を防ぐとともに、患者さまによる自走、自身での摂食など日常生活動作が可能になるなど、リハビリテーションの効果も上がっています。また、昨年度からシーティング後の効果判定を実施しており、アフターケアの充実にも力を入れています。
シーティングクリニックの様子
シーティングの重要性について「患者さまにとって車いすは日常的な乗り物。ですから、日常生活も治療の一環としてとらえています。将来的には、入院の時点である程度体に合った車いすの使用を勧められるような体制を整えたいです。体に合った車いすを使用しないと、体も変化を起こします。眼鏡や靴、服のように毎日使う物と同じように考えてみて下さい」と稲毛さん。
現在、病院や施設などの備品として普及している車いすの現状は、ほとんどが利用者の体に合っていないとされています。医療制度の改定により、自己負担額の増加、保険の適用審査が厳しくなり申請許可に時間がかかる、または許可が下りないなど、車いすの製作がむずかしくなってきているため、定山渓病院では入院時に貸し出す備品の車いすに、よりよいものを導入することも視野に入れています。また、これまでのシーティング実施の経験を生かし、ベッド、いすなど、日常生活における座位保持の対応できるようさらに取り組みをすすめる方針です。
医療法人渓仁会 定山渓病院
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